今日、「デブは自己管理もろくにできないバカだ!」というセリフを聞きました。自分の周りを見渡してみると、何も考えていなさそうな太ったバカは確かにいます。まぁでもガリガリのバカも普通に見かけたりしますよね…

(そもそも何を基準にバカと言っているのやら…)

因みに僕は身長173 cm、体重52 kgの超ガリガリ体質です。大丈夫。いたって健康です。

 

で、結論から言うと、

デブはバカ!というのは「科学的には根拠がないが世の中はそう見ている可能性がある」といったところですね。(言い方が悪くて申し訳ない。)

 

ではその理由をマクロな世界からミクロな世界まで詳しくみていきましょう。

デブはバカだという理由について考えてみよう

まずはマクロな世界から見ていきましょう。認知心理学の観点からデブはバカだと結論してしまう理由を考えてみます。

挙げられるのは以下の2点でしょう。

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①ヒューリスティクスに侵されているから

②肥満とだらしなさが連合してしまっているから

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では、なぜこの2点が挙げられたのか説明します。

①ヒューリスティクスに侵されている

ヒューリスティクス(heuristics)とは、直感で素早く解に到達する方法です。一歩一歩答えに迫るアルゴリズムな処理とは反対に、自分の経験則に沿った処理を行います。

ヒューリスティクスに利用可能性ヒューリスティクスがあります。利用可能性ヒューリスティスクとは、最近の事例や印象的な事例を思い出すことで評価することです。

例とすれば、鳥インフルエンザが危ないと言われているので、鶏肉はもう食べれない!と言ったものでしょうか。

デブ=バカという帰結も、「クラスのあいつは頭が悪いから」や「うちの兄貴はデブでバカだから」といった事例が、あたかも他のデブにも当てはめられると判断してしまうのが原因なのかもしれません。

まさにデブのバイアスですな笑。

②肥満とだらしなさが連合してしまっている

連合とは、意味的なつながりを作り合わせることです。肥満とだらしなさがあたかもセットになっていると判断してしまっているということです。

 

太ったやつは碌に運動もしていないし、自己管理ができていない

自己管理ができていないのはだらしない

デブはだらしがないので、“きっと”勉強の方もできないよね

デブはバカ

 

このような繋がりができてしまうのです。論理的に考えてみれば、太ったやつは自己管理ができていないというのは誤りであり、実際はそうでない人でも自己管理ができていない場合もある。だらしがないから頭が悪いという帰結もよくわからない。そこに注意を向けないというだけで、学業には人一倍真面目な人だっている。

因みに心理学の世界では、「肥満体質の人は“きっと”だらしがないだろう」「だらしがない人は“きっと”頭が悪いだろう」という、“きっと”という典型性を事例として判断することを代表性ヒューリスティクスと呼びます。利用可能性ヒューリスティクス同様、ヒューリスティクスの一種であります。

デブはバカだという科学的根拠はあるのか?

結論から言うと、

 

あったり、なかったり…

 

でも実際は なし>ある ですかね。

「ある」を支持する証拠が十分ではありませんので。僕自身もそう考えています。

しかし肥満体質は自己管理能力が低いのは少しあるかもしれません

肥満体質な子供たちを対象とした実験(1)で、肥満体質の子供に運動させて、その子達の脳の発達・算数の成績・実行機能(認知制御・実行制御・遂行機能)を調べました。

グラフは算数の成績と実行機能を示しています。運動している子供の方が有意に向上しているのがわかります。裏を返せば、運動していないcontrol群の肥満体質の子供たちは実行機能がかなり低いことを示しています。

(算数の成績は有意に差があるとはいえ、ちょっと弱い気もする。)

 

肥満体質な人は頭が悪い!とは一概にはいえないが、ちょっぴし傾向の方はあるかもしれません。相関係数でいうと、- 0.4~0.6くらいかな〜(体重と学力の相関関係)。あくまで予想ですけど。

 

でも運動しないデブはバカかもしれない

運動しないデブというより、運動をしない人全般に言えることで、普段から運動せず電車通勤だったり徒歩5分程度の職場だったりする人は、もしかしたら脳が衰えているかもしれない。

ここ最近、運動と脳に関する研究が盛んでして、たった4分でも脳に変化があります(ただしクッソキツイ運動です笑)。

運動していないから頭が悪いとは決していえませんが、運動をしている人に比べれば前頭葉や海馬が弱い可能性は大いにあります。

結論:デブ=バカの科学的根拠はない。しかし…

デブ=バカは迷信の域を脱していません。あくまでちょっとだけその傾向があるにすぎません。特にだらしないという点で。

ただ、ちょっと深刻な問題がありまして…

それは、世の中がデブを良しとしていないということでして。少なくとも自分が関わってきた人の多くは否定的な意見を持っていました(太っている人は頭が悪い!という人もいた)。事実、肥満体質は見栄えとしてはあまりよろしくないですよね。だらしなく見えてしまうのも当然です。

ヒューリスティクスの問題もありますが、おそらくそれ以上の問題でして。ほとんど多くが、太っていることに対して否定的な印象を持っているんですよ。現にダイエットというワードもありますしね。

(能力というより、健康面で否定的な印象を持っているんだと思います。)

能力という面では、ガリガリだろうが太っていようが関係ないですが、見栄えや健康面ではちょっとマイナス要素が働きますな…

まぁ太っていても頭が悪いわけではないので、そこはどうか安心してもらえればと。

以上です。

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