現在、医学部入試で不適切な入試採点を行なっているとのことで話題ですね。

最初は、裏口入学を認めた東京医科大学でしたね。ここも女子学生の入試採点で不正をしてましたね。

なんでも、女医は体力的にもシンドイからとか。

まぁ実際キツイんですけども、その判断は本人がすることなので大学側(大人)が判断するべきところじゃありませんな。

で、今度は順天堂大学ですよ。

順天堂大学も同様に女子学生の面接の点数を低く見積もってたようで。

その理由なんですけど、

女子はコミュニケーション能力が男子より早く発達し、高いので得点を下げた

とのことです。

最初は「は?」って思いましたが、まぁ医学部のお偉いさんが言うことだ、当然何かしらの論文を引用してのことだろうと思い、調べてみました。

調べたところ、ちょっと怪しいかも?ということで、

その論文含めて紹介したいなと思います。

発言の根拠となる論文はコレらしい…

Cohn (1991)が行なったメタ分析(1)を引用したようで、ざっとAbstractだけ読んでみたのですが、

まずコミュニケーション能力の性差に関する記述が見当たらないんですよね。

で、この論文の焦点が「ego development(自我の発達)」なんですよ。

 

この時点で全然違うやん!

 

自我の発達とか0歳〜11歳あたりの話なんで、受験生 (18歳〜19歳) は問題外です

 

またこの論文の結論は、

道徳的判断、攻撃性、共感性においては男子よりも女子の方が発達が早い

というもので、コミュニケーション能力の性差には一切触れていません。

加えて、

これらの性差は年齢とともに減少していく

と結論しています。

 

たとえコミュ力に性差があっても、受験生の年頃ならとっくにそこらの性差はほとんどなくなっているはずなので、

どちらにしろ順天堂大学の「コミュ力は女子の方が高い!」という発言は不適切ですね

言語能力の性差について

コミュ力という言葉自体、あんまり使わない言葉で、正式には言語能力です。厳密には言語能力といってもコミュ力とは若干違うのですが、本記事では同義として扱っていきます。

言語能力については、Hyde & Linn (1988)のメタ分析(2)がありますが、これによると、

言語能力における男女間の能力差は、効果量が +0.11であり、女性の優位性はわずかなものである。

効果量は、簡単に説明すると「差の程度」です。ここでいうと、男子の言語能力と女子の言語能力の差の程度のことを表しています。

基準については、

項目 指標 効果量小 効果量中 効果量大
相関係数 r 0.10 0.30 0.50
独立な2群のt検定 d 0.20 0.50 0.80
重回帰分析 R2 0.02 0.13 0.26

(https://qiita.com/fhiyo/items/9cb2b05b36566ffe0effより)

 

分析ではt検定を用いているので、指標はdですな。

d < 0.20 なので、有意差がないと結論してもよろしいかと。

つまり、言語能力の性差はほとんどないということです。

 

また

言語能力の性差があるとしても、それは11歳までだ

とも記述しています。

この結論は先ほどのCohn (1991) とも同じですね(Cohnもこのメタ分析引用してました)。

結論:「コミュ力は女子の方が高い!」は誤り。コミュ力に性差は認められないだろう。

ただし、絶対ない!とは言い切れません。コミュ力及び言語能力には文化の違いや環境の違いといった様々な要因が絡んでくるので、一概には言えません。

とは言っても、少なくとも受験生くらいの年齢において、コミュ力の性差は認められないでしょうね。

あるとしたらそれは性差が原因ではなく、その人の環境やこれまでの生い立ちです

順天堂大学さんの言い訳は付け焼き刃に思えますな(まぁ俺も付け焼き刃程度の知識だが)。

というわけで以上になります〜

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